嵯峨野・宝筐院 (その2)

2008-宝筐院_10



落ち葉が山茶花のつぼみを囲んでいます。

雨がやむのを待って、花も開き始めるのでしょうか(^^)



今日も京都・嵯峨野の古寺、宝筐院の紅葉をご覧ください。

盛りの紅葉ではなく、落ち葉を見に行ったようなものですが...(^^ゞ


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宝筐院(ほうきょういん)は、平安時代中期の創建のお寺なのですが、何度も衰退と復興を繰り返して今日に至っています。

平安時代の末から鎌倉時代にかけては、皇族が寺に入り、それなりに栄えていたそうです。



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しかし、その後は徐々に寂れていったようです。

南北朝時代になって、夢窓国師というエライお坊さん(天龍寺を開いた人で、数々の庭園を築いた人でもあります)の高弟の一人、黙庵というお坊さんがこのお寺に入り、復興が始まりました。
寺が禅宗となったのはその時からだそうです。



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室町幕府の二代将軍・足利義詮が黙庵に帰依し、伽藍の整備に力を注いだということです。

ところで、このお寺には、楠正行(くすのき まさつら=楠木正成の息子です)の首塚があり、不思議なことに足利義詮の墓所もその隣にあります。



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「南北朝時代」というのは、建武の新政に失敗した後醍醐天皇とその立役者(のはずだった)足利尊氏が対立し、尊氏が後醍醐天皇とは異なる皇統の天皇を擁立し、二人の天皇が存在するという異常な事態に陥ったことに始まる時代。 (←かなり乱暴にまとめています(^^ゞ)

そこへ至るまで、実は鎌倉時代には既に、皇室では二つの皇統(家系)があり、それぞれの系統から交互に天皇を出すという取り決めもされておりましたが、常に対立・内紛を繰り返している状況でした。

後醍醐天皇はその系統一つである「大覚寺統」の天皇であり、そして尊氏が擁立した天皇(光明天皇)は「持明院統」の天皇です。

後醍醐天皇は都から吉野へと逃亡して新たな御所を設けました。これを南朝と呼びます。
そして都に残った光明天皇の御所、これが北朝です。

以後、約半世紀にわたって、日本には天皇が二人存在していました。



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南北朝時代とはすなわち内乱の時代でもあります。

征夷大将軍となり都に幕府を開いた足利尊氏。その北朝の勢力と対決したのが、後醍醐天皇(南朝)側に付いた新田義貞や楠木正成でした。

朝廷が南北に分裂する前に楠木正成は戦死していましたが、その息子である楠正行はその後も戦い続け、ついに四条畷の戦いで戦死。



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その折、かねて交誼のあった黙庵はその首級を自分のお寺に葬りました。

そして、黙庵から楠正行の人柄について常に聞いていた足利義詮も深くその死を悼み、黙庵に自分も死後は正行の隣に葬って欲しいと願ったということです。




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戦場での敵同士が並んで葬られている様子はちょっと不思議な気がします。

宝筐院とは、そんな側面も持ったお寺です。
色づいた紅葉が広がる庭園の奥には、今も塚が二つ並んでいます。



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宝筐院は、その後ふたたび廃れてしまいました。

見事な庭園が広がる現在の境内は、明治時代に入ってから、再び整備されたものです。

廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、数々の寺院が廃れていった時期でしたが、当時の人々は、明治政府が「偉人」と称えている楠木正成の息子の首塚が宝筐院を荒廃するままにしておくのは忍びないと考えたのでしょう。


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